44人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでは夢見さん…いよいよ開けますがよろしいですか?」
「下らない前振りなんていらないからさっさと開けて、邪魔」
ボケているつもりなのか七海は、使い慣れない敬語でそう問うが、相変わらずの夢見
だがしかし、それでもメゲない七海は何故か、満面の笑みでその扉を勢いよく開けた
「じゃーん!魔法使い結城朱里さんの登場でーす!!」
「あらあら、私って魔法使いだったの…?」
そう、この台詞を言いたかったがために、七海は満面の笑みだったのだ。
そして魔法使いと言う言葉に驚きながら、おっとりとした口調で出てきたのは結城朱里。先日二人が『あの人』と呼んでいた本人だ。
「そうだよー朱里ちゃんは魔法使いだよ!」
「七海…いい加減魔法使いってのやめろ…まぁ似てることは似てるけど…」
「似てるの?じゃぁ私って手から火とか出せるのかしら…?」
そう言い部屋の中央にある、丸く可愛らしい薄ピンクのテーブルと同じ色の椅子に座っている七海に、彼女は手を差し出している。
最初のコメントを投稿しよう!