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「『魔を降す』と書いて降魔師よ。退魔師…ってよく聞くわよね?」
「ファンタジーの映画とか漫画によく出て来るよね」
「そうね。ただ退魔って言葉自体は造語になるのよ。昔のSF小説の一文に『無理に読めば、魔を退くとなって日本語としても不自然。普通は降魔を使うはず。』とあって降魔師になったのよ」
「豊田有恒さんの『退魔戦記』だったよね?」
「あら、七海ちゃん知ってるの?人気だったのかしら?」
「近所の古本屋さんで気になって立ち読みしました!」
「立ち読みは迷惑だからちゃんと買うべきだよ~?」
「だって私あまりお金持ってないし…」
「そういえばあそこの本屋さん、古本の値段ちょっと高いわよね…」
そしてここで漸く夢見と蒼空が注意を促す
「ちょっとあんた達…話逸れてるのに気付いてるわけ?」
「そろそろ本題の解決の仕方に戻せよ」
「あら…七海ちゃんと話すとすぐ話逸れるわね?」
「むぅ…」
結城はクスクスと笑うが、対しての七海は、せっかく会話に入り込めたのに残念そうだ。
「さてと…ごめんなさいね?降魔師の解決方法、と言ってもさほど難しいことでもないの」
「はぁ…で?難しくないとは?」
飽きれ口調の夢見は、そう返事をしたところで、温かかったとは思えない緑茶に口を付けて、返事を待った。
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