2章†…宿直室の降魔師…†

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「『魔を降す』と書いて降魔師よ。退魔師…ってよく聞くわよね?」 「ファンタジーの映画とか漫画によく出て来るよね」 「そうね。ただ退魔って言葉自体は造語になるのよ。昔のSF小説の一文に『無理に読めば、魔を退くとなって日本語としても不自然。普通は降魔を使うはず。』とあって降魔師になったのよ」 「豊田有恒さんの『退魔戦記』だったよね?」 「あら、七海ちゃん知ってるの?人気だったのかしら?」 「近所の古本屋さんで気になって立ち読みしました!」 「立ち読みは迷惑だからちゃんと買うべきだよ~?」 「だって私あまりお金持ってないし…」 「そういえばあそこの本屋さん、古本の値段ちょっと高いわよね…」 そしてここで漸く夢見と蒼空が注意を促す 「ちょっとあんた達…話逸れてるのに気付いてるわけ?」 「そろそろ本題の解決の仕方に戻せよ」 「あら…七海ちゃんと話すとすぐ話逸れるわね?」 「むぅ…」 結城はクスクスと笑うが、対しての七海は、せっかく会話に入り込めたのに残念そうだ。 「さてと…ごめんなさいね?降魔師の解決方法、と言ってもさほど難しいことでもないの」 「はぁ…で?難しくないとは?」 飽きれ口調の夢見は、そう返事をしたところで、温かかったとは思えない緑茶に口を付けて、返事を待った。
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