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「なるほど…そしてその術式で空間拡張…とでも言うんですか?それをしてるんですね?」
「そーゆうことね。物分かりがいい子私好きよ?さて…と、聞きたいことはそのくらいかしら…?」
今まで気付かなかったが、結城の顔にも多少の疲れが見える。
癒やしの緑茶を、再び淹れようと立ち上がる結城は、残りの3人にも声を掛ける。
「あなた達もお茶いる…?もうこんな時間だけど…」
と、不可思議な物で隠されてわかりにくかったが、ひっそりと掛けられている壁掛け時計を指差す。
そして夢見は驚く、後10分程で授業が始まってしまう時間だと…
蒼空は普段からサボり気味なので、あまり気にしていない様子
残る七海は無反応…否、既に夢の世界へといっているようだ。
「一条さん…どうするの?俺はどっちでも構わないけど」
数瞬夢見が思案していると、再び蒼空が付け加える
「それより一条さん…本題忘れてるだろ?」
「ほんだ…あ…そうだったわね。周りの物が悪趣味すぎて忘れてたわ」
夢見が皮肉っぽくそう言うと、二人分の緑茶を汲んできた結城が反応する。
「やっぱり私悪趣味って思われてたんだね…」
「いや、結城さんそっちじゃないだろ」
「本題の方だったの?えぇと…じゃぁ今日はなんのために会いに来てくれたの?」
あぁ…これは1限目遅刻どころではなく無断欠席になってしまうな…
と、そう確信する夢見であった。
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