1章†…予知夢…†

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一日の始まりを告げる朝日が、カーテンの隙間から彼女の機嫌を損なわせないかのように、優しく降り注ぐも、健闘虚しく憂鬱な表情で彼女は目を瞬かせた。 それもそのはず、橋の上から人が電車に飛び込む夢を見てしまったためだ。 それが全く知らない場所ならまだいい。 だが、その場所は彼女の通っている学校のすぐ近くなのだ。 彼女に対して、夢だから気にする必要もない などと無責任な言葉を言えるはずがない。 何故なら彼女は未来を予知出来るから いや、厳密に言えば起こりうる未来を不定期に夢で視てしまうのだ。 そう、見たくもない夢を視てしまうのだ。 しかもその大半が人が死ぬや事故に遭うなどといった不幸な夢ばかり。 だが見たところで彼女にはどうすることも出来ないのだ。 それがいつ起きるか分からないがために
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