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そしてもう一人、口を挟まなかった…否、挟めなかった彼女もまた
「私だって嫌だよ?存在しえないモノの夢を視たのなら、夢見ちゃんも何かしら巻き込まれる可能性もあるんだよね?」
「あんた起きてたの…?」
「ね、寝てなんかない、よ?もー最初から最後までちゃんと聞いてたもん」
「…ならいいわ」
何か言うのがむしろ情けなく思ったのか、夢見は彼女にそれだけで済ました。
だが、反対に残りの二人は済まさなかった
「七海…お前顔洗ってこい」
「せっかくの可愛らしい顔が台無しね」
「え…どーゆう意…え?嘘…?ちょっとヤだ…えっと…ごめんなさい」
蒼空達の発言に対し、あたふたしながら七海はそう言い残し、洗面所へと走って行った。
「はぁ…彼女がいたらなんか緊張感崩れるわ…」
そう溜め息混じりの苦言を漏らす夢見であったが
「でもそ~ゆうとこが、七海ちゃんのいいとこじゃない?そこにいるだけで、場が和んで落ち着きもするし、逆に楽しくもなる。いい子じゃないの」
結城が間違いのない確かなことを言うので、返事に困り結局すぐに話を戻すことに決めた。
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