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「詳しいことは知らない…でも詳しいことを知ってる人を知ってる…その人を教えるからどうだ?」
「…一条さんの手料理だけだな」
「だからなんであたしなのよ?もうあんた達本当にイヤ…」
「やったー!夢見ちゃんの手料理頂きます!!」
「よし、ならちょっと待ってろよ」
そして夢見の手料理をゲット出来る大地は、多少ニヤつきながらも住所と名前、簡易地図を描いた紙を蒼空に渡した。
「別にあたしいいなんて言ってないわよ?何も作らないわよ?…ねぇ、あんた達話聞いてる?」
「ここ隣町じゃん…こんなとこまで行くの?」
「谷川実…?誰だ?」
その紙を覗き込みながら大地に問う二人…完全に夢見は蚊帳の外である。
「俺の従兄姉だ。電話の被害者の親友だったんだとさ」
「親友だった…?喧嘩でもしちゃったの?」
「被害者って言ってるだろ…言わせんなよ…」
「そう…親友さん行方不明らしいぜ?ま、お前らが近々行くこと伝えといてやるよ」
「助かるよ、今から行っても迷惑じゃないか?」
「えー今から行くの?もう暗くなるよ?」
七海がそう言うのも当然である。既に、日は沈みかけているのだ。
そして夢見も無視されたあげく、手料理を作るはめになり沈んでいる。
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