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「今から?まぁどうせ暇してるからいいだろうけど…にしてもお前らほんと真剣だな?」
「……」
「え…いやいや…えぇと…これには深いふか~い事情があってね?えぇと…なんて言ったらいいんだろ……とにかく深い事情があるんだよ」
七海は勿論、答えなかった蒼空、沈んでいる夢見も痛いところを突かれた…と思っていたが
「ま、俺には関係ないけどな?もし電話来たら、それを理由に結城さんとこ通い詰めれるしな」
大地はそれ以上、何も聞いてくるようなことはしなかった。
『言いたくなかったら言わないでいい』元々そう考えているうえ、最後の呆けなのか本気なのかわからない言葉のお陰で、彼女らはホッとしていた。
「えぇと…大地くん、メモとかありがとうね?」
「いやいや気にすんな、そんくらいのことで、女子高生の手料理食えるの楽しみだからな!!にしても長くなっちまったな…放送は諦めるとして、結城さんに疲れ癒やしてもらってくるわ!!」
「お、おい!大地!今日結城さん出掛けてていな……」
次は結城に会おうとして、再び走って行く彼に、蒼空がそう注意を促そうとするが、聞く耳持たずに走り去って行った。
「…本当嵐みたいじゃなくてそのものね…料理もしないわよ…?」
そして未だ沈みながら、夢見は独り言のように呟いた。
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