3章†…メリーさんと被害者と…†

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夜遅くまで賑わう常磐市の繁華街、その喧騒を東へ抜ければ、沈みゆく夕陽を一望出来る常磐第二大橋がある。 更に東へと進めば、夢見や七海達が住まう住宅街へと出る。 ならば、繁華街から西へ向かうと、何処に辿り着くのだろうか? そう、その辿り着く場所こそが、七海と蒼空が求める人物の住む隣町…常葉-とこは-市なのである。 「はぁ……なんで蒼空と二人っきりで行かなくちゃいけないんだろ…」 「一条さんを怒らせたからだろ?俺も原因の1人だけどさ…」 2人で向かっている理由…それは先程、放課後の教室で彼らが夢見を無視したり、無理矢理手料理を作らせようとし、機嫌を損なわせたからだ。 「それにもうこんな時間じゃん…お腹空いたなぁ」 「もうしばらくで着くはずだから我慢しろ」 「まさか繁華街抜けたら、コンビニの1つもないなんて……あ~…夢見ちゃん見てるだけで、お腹いっぱい胸いっぱいなんだけどな…」 「だったらさっさと話でも聞いて、一条さんとこ行けよ」 そう、夜中になっても騒がしい常磐市と違い、常葉市はむしろ自然豊かな街並みなのである。 それ故に商店街は愚か、コンビニすらも殆どない為、彼女は嘆いているのだ。
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