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「…で?お前はまた一条さんに迷惑かけたわけだ?」
「うぅ…まさかそんな風に言われるなんて…だって夢見ちゃん寂しいかな~?なんて思ったりしたんだもん」
夢見達の通う学校-常磐大学付属第一高等学校に夢見達が着くやいなや、七海は一人の男子生徒に今朝の出来事を話していた。
霧島蒼空(きりしま そら)高校生の割りには、大人びた雰囲気を醸し出す夢見達の同級生であり、彼もまた夢見の数少ない友人の一人
七海は今朝のことを話せば、彼が嫉妬なり悔しがるなりといった反応を示すに違いない、そう思ったのだが逆に七海本人が痛い目をみる羽目になったのだ。
「いちゃつくなら余所でやって…それよりあなた達、今日の放課後空いてるかしら?」
「いちゃついてなんかないよっ!」
「俺は空いてるけど…改まってどうしたんだ?」
七海は蒼空とのやりとりをいちゃついてるなどと言われ、夢見の質問には気がいかなかったようだ。
一方の蒼空はそんなことはどうでもいいといった風に夢見の話に耳を傾けようとした。
「そ、ならまた放課後にでもゆっくり話すわ。そろそろ授業も始まるでしょうし」
「ねぇ夢見ちゃん聞いてる!?別に私たちそーゆう関係じゃないよ!?」
「もうお前分かったから…一条さんも冗談で言ってるからな?ほら、授業始まるからさっさと席戻れ」
と、蒼空が七海に催促したと同時に、授業の開始を知らせるベルが鳴り響き、三人はそれぞれ自分の席へと戻っていった
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