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幻想郷、人と妖怪が共存する世界
外の世界がゲームや小説で理想郷と呼ぶその世界で、今ちょっとした小さな異変が起きていた
場所は人里から近い道、左右には森が広がっていて、中には知能の低い妖精や妖怪がさ迷っている事だろう
そんな道に、その小さな異変の一つがあった
「ふぅ、これで何個目かしら?」
金髪の女性が気だるそうに閉じた扇子を縦に振る。
すると目の前の空間にある瞳の形に両端をリボンで留めたような亀裂がスッと消え、普通の空間に戻った
「丁度今ので二十個目ですね…
しかし紫様が風邪を引くのがそもそもの原因なんですよ?」
傘をさす彼女に、後ろから式神の八雲 藍が少し非難するように言う
すると八雲 紫は、「はいはい」と肩をすくめる
藍はそんな反省なんてしていないような態度に呆れるような溜め息をついて
「くしゃみする度にうっかりスキマを開かれていたのでは、巻き込まれた人間も妖怪もいい迷惑です」
だいたい霊夢からも…と、お小言を続けようとする藍に、紫はうんざりするように顔を背け、次の目的地へ飛び立ってしまった。
「巻き込まれたのはこっちの住人だけじゃ…って紫様!? まだ話は終わってませんよー!!」
途中でそれに気がついた藍は慌てて紫の後を追い飛び出した。
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