それまでの日常は終わりを告げて

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「地味に親父がいる所が家じゃなく道場なのが… 永夜抄できないし…」 と、頭をかきながらぼやく飛影 親父が言うには渡したい物があるそうで俺が家に帰ってきたら道場に来いと母さんに伝えて家を出たらしい。 親父は親父で翔月流という剣道場の先生をしている なんでもかなり昔からある由緒正しい物なのだとか (俺から見たら駄目親父なんだがなぁ…) まぁ、そんな駄目親父が先生をしている時の顔や、若い頃の試合を見て憧れてその道場で稽古をつけてもらっているので、口には出さないが… 「しかし何で大きな鞄が必要なんだ…何を渡すつもりかわからん…」 ブツブツと物思いに耽り呟きながら歩いていると… 「ママー、あのお兄ちゃん一人で喋ってるよ~?」 「しっ!!見ちゃいけません!!」 「………………」 親子になにやら痛々しい目で見られ、早歩きで立ち去られ 飛影は少しだけ歩む速度を緩めた 肩をがっくりと落としながら、ではあるが。
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