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俺はいつも通り中央線の快速に乗っていた
おとといくらいから咳が出始めて、弟の風邪かなにかが移ったのだと思った
俺は風邪をあまりひかないほうなのだが、弟はからだが弱く、年がら年中風邪をひいているような気がする
そんな奴と同じ家に暮らしてるんだから、風邪のウイルスは常に俺を狙っているんだ
最初は咳だけだった
だけど今日の朝、電車の中で急に吐き気をもよおした
人が多い電車の中で吐くという最悪な事態は避けたかったので頑張って我慢した
朝飯を食っていなかったおかげでなんとか吐かずにすんだが急にフラッとした
気がついたら電車の床に倒れていた
倒れた瞬間のことなんて覚えていない
本当に気がついたら倒れていた
まわりの人たちが俺を心配して見ている
何人かの人が手を貸してくれて、席をを譲ってもらい座った
駅に降りた後も一人のおじさんがついてきてくれてかなり心配してくれた
本当に人の暖かさを感じた
俺は自分が情けなくて「すみません」を連呼していた
小さな声で
「ありがとう」っていったほうがよかったんだろうな
おじさん、ありがとうございました
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