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幸い周りには聞こえてないみたいだった。
なんとか俺のここでの面子が守られた。
とりあえず今は。
「昼飯を食うか」
食べかけのランチセットを再び食べはじめる。
遥もサンドイッチを両手で持ち少しずつ食べはじめた。
俺は数分で食べ終えたが遥はまだ半分も食べてなかった。
遥がその様子に、少し慌てサンドイッチを口に詰め込もうとする。
「焦らなくていいからな?ゆっくり噛んで食べろよ」
そう言いながらコーヒーをゆっくり飲み始める。
「でもせっかくの兄さんとのデート…」
「デートじゃない、それにまだ13時だ、焦ることないだろ?」
腕時計を見せながら遥に言った。
「そうなんですけど、兄さんとの時間は一分一秒大切なのですよ?」
「ならこの時間も大切にしろ」
「兄さん…」
サンドイッチを両手で持ったままで顔を赤くし、目をウルウルさせる…遥。
「どうした?」
「兄さん大好きです」
「いきなり何言い出すんだ」
「だって本当ですもん」
何がなんだかわからん。
遥の行動が理解できないのはいつもの事だけど。
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