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カフェラッティで会計を終え店を出る。
すると、遥が隣に並び。
「兄さんご馳走さまでした」
そう言って頭を下げてきた。
「気にすんな」
こういった常識はあるのにな。
「でも兄さんにお金だしてもらいましたし……なら私は兄さんにご奉仕を」
なぜ、こういう常識はないんだ。
「奉仕はいらん」
俺のその言葉に少し間を開け、遥は下唇に人差し指を当てながら。
「されるよりも…するほうがいいんですか?」
「そういう意味じゃない」
「兄さんはSなんですね?」
「頼むから…人の話を聞け」
「もう兄さんの話はちゃんと聞いてますよ?」
「聞いてないだろ、脳内変換してるんだろ?」
「してませんよ?美化はしてますけど…」
それは脳内変換と同じだろ。
「とりあえず用事すませるか」
「すませるって、ここでですか?それとも…ホテル?」
「なんの事だ?」
「決まってるじゃないですか、もう兄さんたら…」
「お前、買い物があるっていってただろ?」
その言葉に胸の前で両手を合わせ。
「そうでした!」
遥は笑顔でそう言った。
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