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それから数十分後。
数着の水着を手に遥が近づいてきた。
「兄さん、お待たせしました」
「えらんだのか?なら見せてみろ」
「はい、見せろだなんて…今すぐ着替えますから、待っててくださいね?」
遥はそう言いながら試着室に入ろうとする。
「おい、何故着るんだ?」
「着ないと似合うか似合わないかわからないですよ?」
まあ、たしかにそうなんだが。
何と言うか、恥ずかしいというか…気まずいというかそんな感じである。
「兄さんは見るよりも想像するほうが欲情するのですか?」
「人をそんな変態みたいな言い方するな」
「なら見て欲情するほうなんですね?」
「その言い方もあんまり変わらない気がする」
「触ってですか?」
「お前は俺をどう見てるんだ?」
「それは、兄さんだって男ですもの」
「意味ありげな発言をするな」
こんなやり取りを何度もしたので。
もう内心どうでもよくなってきた。
「わかったから着てこい」
「兄さん待っててくださいね?」
そう言いながらカーテンを閉めた。
そういえば何着えらんだんだ?
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