4747人が本棚に入れています
本棚に追加
/431ページ
ビリリリ。
携帯の電子音が部屋に響く。
｢うぅ…ん…朝…？｣
まぶたを擦りながら携帯のディスプレイを見る。
時間は6時。
｢あと…10分…｣
10分後。
ビリリリ。
｢もう10分…｣
枕に顔を埋めながら再び眠りにつく。
私、櫻井遥は低血圧というか、なんといいますか……朝の早起きは苦手なのです。でも…。
｢遥…朝だぞ…｣
｢はい…兄さん…｣
兄さんが起こしてくれると、そんなこと関係ないのです。
でも、兄さんが起こしてくれたわけじゃなくて、兄さんの声が起こしてくれたのです。
兄さんの声というのは携帯でコッソリ録音した声を目覚ましに使っています。
実は、他にも兄さんのボイスは入ってますけど…秘密です。
兄さんには内緒ですよ？
兄さんは恥ずかしがり屋なので、ばれると消されちゃいますから…。
最初のコメントを投稿しよう！