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「なんでって……小林もミイと同じで、東京の大学を志望しているからさ」
「……たったそれだけの理由で、付き合えばいいっていうの?」
「別に付き合えばいいとは言ってない」
「同じ意味よ」
「違う」
「同じよ!」
ミイは勢いよく立ち上がり、スイカを持ったまま家の中へと入っていく。
「もうシンちゃんは自分の家に帰って」という言葉を残して。
俺はミイの背中を見守ることもせずに、縁側から見える夜空を眺めながら気持ちを整理していた。
……だって、仕方ないだろ。
俺にはミイを幸せに出来ないから。
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