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ミイはこの島から出ていき、俺は生涯この島で暮らす。
毎日のように会うことが出来るのは来年の3月までで、それからはもうほとんど会えないだろう。
そんな明白な未来が見えるのに、言えるわけがない。
……俺は子供のころからミイが好きだって。
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「シンちゃーん! シンちゃん起きてるー?」
次の日。
朝9時に、外で俺の名を呼ぶ声が聞こえる。
「シンイチ。ミイちゃんが来ているわよ。早く起きなさい」
ミイの声と母さんに無理やり起こされた俺は、適当に黒のパーカーと緑のカーゴパンツを着て外へ出た。
「ミイ? どうしたのこんな朝っぱらから」
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