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「ミイ、泣いているの?」
「……歌手になるのは夢だよ。自分の歌声を、数えきれないほどたくさんの人に聞いてほしいって思う。でもね、一番聞いてほしいのはシンちゃんなんだよ」
ミイは、ピンクのリボンが付いたカバンから数冊のノートを取り出した。
「私ね、自分で曲を作っているの。このノートに書かれた曲すべては……シンちゃんのことを想って書いたものなんだよ?」
「ミイ……」
知らなかった。
ミイがそこまで俺のことを想ってくれているなんて。
……いや、知らなかったんじゃない。
気づかないふりをしていたんだ、ずっと。
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