友へ。

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貴女は、いつも私の見本だ。 その寛大さ。 優しさ。 冷静さ。 美しさ。 私は、彼女が羨ましかった。 ……でも、いつも私の前にいて欲しかった。 まだまだ子供の私は、貴女の前で、感情の波を荒立てる。 貴女は柔らかな風で、その荒立った波を包み、静まるのを待っている。 いつでも“おかえり”と言ってくれているようで。 貴女の存在は、私の居場所だと思った。 “ただいま、おかえり” “ごめんね、いいんだよ” ――いつもありがとう、心から。 そして、いつまでもよろしくね。 .
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