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アスターの手がシルヴィアの寝間着の中に潜り込む。 「アスター様。だめですってば・・・・」 シルヴィアはアスターの手を掴み、必死で進入を阻止する。 「なぜ、拒む。恥ずかしいのか?」 シルヴィアはコクンと頷く。 「今更だろう?」 再び、アスターの手が妖しい動きを見せる。 「だめです。アスター様。・・・・やめて。やめてください。だめ・・・だめーーーー!」 シルヴィアの口から艶を含む声が部屋にこだましたそのとき、ドカドカドカドカッと何か重量級のものがこちらに向かってくる音が聞こえた。 そして…。 バターン 「アスターーーー!」 まるで怪物の雄たけびのような大声とともに『彼』が部屋の中へ突進してきた。 「モッ・・・モシャスさん?」 驚いたシルヴィアはとっさにシーツを顔の半分まで引き上げ、隠れる。 アスターはというと、良いところだったのに邪魔をされてご立腹だった。 「なんだ。モシャス。お前にこの部屋の入室許可を与えた覚えはないぞ」 氷の刃のような冷ややかな、そして怒りのこもった瞳でモシャスを見る。 「そんなこと言ってる場合じゃねぇーーーー!」 興奮しているからなのか、はたまたのどが渇いているからなのか、モシャスはベッドの脇に置かれていた水差しを引っつかむと一気に飲み干した。 ドンッ 水差しを置くとモシャスは二人に言った。 「リリィアードで皇帝暗殺未遂事件が起こったんだよ!」 モシャスの言葉にシルヴィアは青ざめる。 リリィアード皇帝。 それはつまり・・・・。 「父上が殺されかけた…」 アスターは驚きに目を見張り、ぽつりとつぶやいたのだった。
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