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鍬を使い、土を耕す。
畝を高くし、作物の根を守る。
まだ若い私には、負担のかかる作業ではない。
それでも、ずっと腰を曲げて軽くはない鍬を振りおろし続けていると
さすがに疲れてくる。
腰が痛い。
中学時代のバレーで痛めた腰。
また腰痛を引き起こさなきゃいーけど。
「ばあちゃん、よくこんなの毎日してるよね。
私、腰が痛くて仕方ない。」
「休み休みで良いて。ばあちゃんも腰が痛くてしてらんねら。」
そう言われて、すでに土の上に座っているばあちゃんの隣に、
私も腰をおろす。
さっきまで畝しか見ていなかった目線を広く上げれば、
畑を守るようにしてなる大きな栗の木。
そこからさらに遠くを見れば、色の濃い青空に柔らかそうな雲が見えて、私はなんだかホッとする。
澄んだ空気は、深呼吸を繰り返すうちに、肺に行き渡って私の疲れを軽くしてくれる。
あぁ…なんだか…
「やっぱ、田舎って、良いね。」
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