青紫蘇

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畑から家へ戻った私は、農作業着から部屋着に着替える。 手と顔を洗い、台所へ向かうと ばあちゃんは青紫蘇を洗っていた。 畑で採ったものだった。 まだ時期が早めだからか、 香りは強くない。 それでも青紫蘇独特の良い香りは、私の食欲を刺激する。 青紫蘇を何にするのかと聞けば、天ぷらにしてくれと言う。 してくれ、と言うからには、自分はする気がないのだろう。 台所のカウンターの所で、二人で麦茶を飲み一息つく。 お互い無言だが、その空気は穏やかで 私はこの時間が好きだな、と思う。 しばらくボーッとしてから、私は夕飯作り、ばあちゃんはお風呂をたてに動きだした。
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