弐 為

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吃驚したのだ。 まさかこんなに早く顔を見せるとは思わなかったのだ。 「前髪は横に避けていた方が世界が広いですよ。」 「凄いや。」 恪為はボソッて言った。 「…怖…い。」 相為が小さいながらもいった。 それに近藤達も驚く。 物音一つしなくなった。 その沈黙を最初に破ったのは恪為。 「相為、折角だから自分の気持ちいいな。」 恪為がそう言うと相為は顔を上げた。 相為は確り沖田を見ていた。 「…人が怖い。 だって、裏切る…。 すぐに死んじゃう。 …だから世界が狭くてもいいからできるだけ、人を見たくない。」 「よく言えました。 相為は人が好きだもんな。」 相為の素直な気持ちはここにいる全員にとどいた。 近藤は涙を流していた。 「君達は怪しくなんかない! 家まで送ろう。」 「家なんてないよ。」 その言葉をきき近藤の涙は止まる。 土方はため息をついた。 「近藤さん、コイツら未来から来たらしい。 信じられねぇが。」 近藤達はまた吃驚する。 近藤は口をあんぐりあけて。
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