弐 為

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入ったら何故か何時もの雰囲気と違っていた。 壬生寺の直ぐ隣にある筈の建物がない。 外に目を向ければ高い建物は一つもない。 「恪為…。」 「何か違うね。」 「人…。」 「着物着てる。」 恪為は考える。 その間相為はビクビクしながら恪為にくっつく。 それもそのはず。 二人に近づいてくる者がいたのだ。 恪為は考えることに一生懸命でわかっていない。 「恪為…。」 「何?」 「前…。」 「おい、お前ら。」 恪為が前を見た途端その者が話しかけてくる。 勿論二人にむかって。 「異人か?」 「違う。」 「まぁいい。 お前らは怪しいから連行する。 抵抗はしない方が身のためだぜ。」 そういうとその者は二人の腕を掴む。 恪為は大人しくしているが相為は知らない者に捕まれた為抵抗をした。 「抵抗しない方がいいといったはずだ。」 「仕方ないじゃん。 あんた知らない人だし。」 相為の代わりに恪為が答える。 それがかんに触ったのかその者は二人を気絶させた。
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