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―――数時間前。
「えー?!そんなことがあったんですか……?」
…アイツはなぜにそんな重要な事を言わないのかな?
そうすれば、私が怒り狂うことも無かったのに……。
妊婦さんと立ち話も何だから、リビングにて紅茶を飲みながら昨日の真相を聞いた。
「昨日はほんとに助かりました。
レンの父親は今、海外出張中で、私の実家も遠いので頼れる所がなくて……ご主人様にはずいぶんご迷惑をかけてしまって、ほんとにすいませんでした。」
「あっ…いえいえ。お役にたてたなら良かったです」
「奥様が誕生日だったのに……ほんとに何て言ったらいいか…」
玉城さんは、かなり恐縮していた。
「いえ…もうそんなの全然いいんですよー。たかが誕生日です。誕生日祝いの振替なんていくらでもできますし~。それよりも赤ちゃんが無事で何よりでしたね」
本心だった。
昨日はあんなにこだわっていた誕生日。
今はそんな自分がちっぽけで恥ずかしく思えた。
と、同時に蓮をとても誇らしく思えていた。
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