178人が本棚に入れています
本棚に追加
詳しい真相はこうだった。
玉城さんは産婦人科へ行く途中、貧血と軽いお腹のハリで歩けなくなっていた。
そこに偶然通りかかり声をかけたのが蓮。
遠慮する玉城さんを病院までタクシーで連れていったそう。
玉城さんは診察を終えて点滴。
かなりの時間がかかったそうで、蓮はその間ずっとレンくんと一緒に待ってたらしい。
「おじちゃん…いっぱいあそんでくれたんだよ~。ケーキもたべたよ~」
「すいません…。どうやら誕生日ケーキをレンが食べちゃったみたいなんです。」
…あっ。ケーキも買ってくれてたんだ?
「そんなのいいんですよ~。レンくんケーキ美味しかった?」
レンくんは、飛びきりの笑顔で頷いた。
蓮は私の誕生日をちゃんと覚えててくれた。
プレゼントとケーキまでちゃんと用意してくれてた。
それだけで全部チャラ。
お母さんを心配しながらお腹をすかして待ってるレンくんを想像した。
この子がケーキでほんの少しでも笑顔になれたなら良かった。
アイツ…見直したぜ。
いや、結婚後はじめて惚れなおしちゃった。
最初のコメントを投稿しよう!