別れる事になりました

8/26
前へ
/400ページ
次へ
  「どうしたんだエレナ?あっ、見合いについてか?」 「あっ…ううん。実はその、ルークの事なの」 「ルークか…やっぱり言い過ぎたかな」 「多分ね、アンタさ…留学する前にルークと話を付けて来なさいよ。 ルークはいつも裏山の頂上で訓練してるから」 「分かった。ありがとな」 彼は彼女に礼を言うと扉を開き自室に入って行った。 扉が閉まり廊下一帯が静寂に支配される中、一人廊下には残された彼女は俯いていた。 そんな彼女の頬から流れた雫が床に染み込む。 「さよなら…私の初恋」 この日、一人の少女の恋が終わった。     † ――当主室 エレナの父、レクセルは椅子に座り水晶からある報告を受けていた。 『――!!―――!』 「分かった。直ぐに私とエバンも向かう。それまで耐えてくれ。 アニエス、彼に伝えてくれ」 彼は立ち上がると自身の装備を整えていった。そんな彼に連絡を終えた妻は悲しそうな顔をした。 「明日はあの子の誕生日なのに…」 そんな彼女に彼は優しい笑顔で答えた。 「大丈夫だ。直ぐに終わらせて帰ってくる」 その後、レクセル・エバンは屋敷を出発。国境線に向かった。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17739人が本棚に入れています
本棚に追加