別れる事になりました

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  「やっぱ殺し合いはこうでなくちゃなぁ!だらだら長い間殺し合ってるより、短い時間での殺し合いだァ!兵士ども手ぇ出したら死刑だからなぁ!!」 オセが歓喜の叫びを上げるなかクロムは離れた場所にルークを寝かせ、治療用の札を貼付けた。 直ぐにとはいかないが回復が速まるだろう。彼は意識が朦朧とするルークに首飾りを掛け、最後に頭をひと撫でするとオセの元に歩き始めた。 「よく待ってたなアンタ」 「オセ=バルバドスだ。よく覚えておけクソガキ」 「クロム=シトラスだ。アンタは覚えなくて良いぜ…直ぐに死ぬんだからな」 クロムの言葉に彼の額に青筋が浮かぶ。だが彼は急に笑い出した。 「やっぱテメェ最高だわ。あと二、三年待てば最も楽しめたんだろぉなぁぁ。 あー実に残念だ。 ……本当に残念だわ」 「………ッ!?」 彼が最後に見せた笑みに思わず後ずさる。なにか得体の知れない感覚を覚えたクロムは残り少ない魔力を刀と身体に流し込む。 ――悪魔化 黒い霧が発生した場所から甲殻と鉤爪の生えた腕に変わる。また背中から甲殻の付いた蝙蝠の様な翼が形成され、翼を羽ばたせた彼は矢の様に一直線に飛んだ。 「久々だぜ…コイツを使うのはよぉ…」   オセは腰に回していた獣の毛皮を取ると頭から被る。すると毛皮は生き物の様に彼の身体を包み込む。 「なんだか知らんが貴様さえ倒せば終わる!」 クロムは渾身の一撃を叩き込むオセはハルバートを盾にするが魔力と気で強化した刀によりハルバートは砕かれる。 だが武器が砕かれ刀が近付く中オセは笑っていた。 その理由は直ぐに分かった。 ――バキン 刀が折れたのだ。 「なっ……!?」 純度の高い硬化性の魔石が使われた一級品の魔武器がただの拳によって砕かれたのだ。 「よそ見してんじゃねぇぞコラァァア!!」 剛毛に覆われた剛腕がクロムに叩き込まれた。 余りの衝撃に呼吸が止まり地面を転げ回った。転生後も前もこれ程の衝撃を味わった事など無かった。 むせ返りながらも立ち上がったクロムはオセを見て驚愕した。
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