御褒美で転生しました

宿敵と出会いました

　
『結果をお伝えします。女子の部準決勝、エレナ選手対ローラ選手の試合は、エレナ選手が勝利を収めました。
なお、決勝進出者はエレナ選手とステラ選手です』

　拡散魔法で流れて来る知人の試合結果にクロムは顔を綻ばせながら、リングで行われている試合を見た。

　学生レベル。言い換えれば、アマチュア。

(準決勝でこれじゃ、まずいだろ……)

　所詮は学生。軍学校ではない学生では、今から来る乱入者に歯が立たない。

　また、VIP席で踏ん反り返る者達など、赤子の首を捻る程度だろう。

(まぁ…知人以外はどうでもいいや)

『決まっったァあぁぁーーッ!!
ロイ選手のアッパーに堪らず、アグリッサ選手ダウン！
これにより、全学年の決勝進出者が出揃いました！』

　実況担当であろう、男性の声がスタジアムに響く。

　試合は柔道の様に時間とポイント制で行われている

　しかし、決勝戦では相手が戦闘不能または、棄権するまで戦う。

『では、決勝戦進出者の御紹介を致します』

　プログラムを黙々と読み取る女性の声。実況席を見ると、カラス越しに三十代の男女が見える。

　その二人が居座る実況席が

『次に第三学ね―――』

　爆発した。