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「子供に手ぇ出してんじゃねぇぞ猫風情が」
母親が子供を掴むよりも、魔物が喰らい付くよりも前に、頑丈だけが取り柄の太刀が魔物を一刀両断した。
「ッチィ…勇者召喚陣なんざ作るからだ」
刃に着いた魔物達の血を振り払う。よくクロムの回りを見ると、事切れた魔物だった残骸が散らばっている。
彼はスタジアムを見渡した。
相変わらず、濁流の如き勢いで観衆が迫り来るが、シェリーが観衆を会場外に転送した御蔭で幾分か楽に成って来ている。
「ん……?」
視線を感じ、首を向けると学園長がクロムを睨みつけていた。
見なかった事にしよう。
クロムは新たに現れた魔法陣から飛び出す魔物処理に向かった。
やはり教国の人員は数人程度の様だ。今頃、安全地にいるであろう術者はホタルにやられている事だろう。
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