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「100点中18点の品だな、馬鹿者」
「リアル!点数が生々しい!!」
ちゃっかり受け取ったクレアは、クロムを上下に観察する様に見た。
「まぁ、遊んでた訳ではない様だな。で、わざわざ来たんだ。私に用でもあるのだろう?」
「はい…その、ですね…貴女が持ってる宝玉が、欲しいな~~…みたいな?」
終止低姿勢のクロム。
「まぁ、良かろう…ほれ、受け取れ」
クレアは杖から外した宝玉を投げ渡す。慌てて受け取ると懐に納めた。
「さて、新手が来たぞ」
彼女が顎で差す先には新手――完全装備の兵士がリング上に現れた。
数は三十。 腕章、身なりから教国、グラム王国だ。
グラムの場合は肩にある国旗に赤の×印が描かれている。
母国に不利益な事態を招かせない様にやる、軍人の手口だ。
その軍人の一団の先頭にいる指導者とおぼしき男性をクロムはよく知っている。
自分を死に追いやった男。
「オセ・バルバドス――ッ!」
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