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この間々では埒が空かない。やはり、相手の意表を突く一撃。
一撃必殺が望ましい。
(チャンスは一回……確実に殺る)
――夢幻壱・弐・参型『融合』
三つの夢幻を融合。義手である右腕に力が集まる。
少ない魔力残量を右腕に流し込む。全身を包む悪魔の甲殻の密度を最低限にさせ、その分の硬度を右腕に回す。
「この世から消え去れ」
「あぁ…満足出来る殺し合いが出来たらな」
そうか……――クロムはポツリと言うと、膝を落とし腕を曲げる。
――お望み通りに満足させてやるよ
対するオセもマカナで返り討ちにしようと構える。
マカナから発する振動音とクロムの右腕から発する駆動音。
二人が放つ、一撃必殺。
次で全てが決まる。
そんな二人は、まるで打ち合わせでもしたかの様に同時に大地を蹴り上げた。
切断の刃と粉砕の鈍器がぶつかり合い、辺りは衝撃波に因って引き起こされた砂煙りが舞った。
果して勝者はどちらだ
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