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「な―――ッ!?」
驚く間もなく、煙りがクロムを突き抜ける。
クロムを通過した煙りは彼の背後に棒立ちする学生――ルークがいる。
「―――っう!!」
背後を振り向いたクロムは身体を無理矢理捻り、血塗れの右腕を伸ばしたが
「そんな…………」
煙りを掴むが、相手は気体。指の隙間から逃れ、悪意の気体はルークを飲み込んだ。
煙りはルークの身体に吸い込まれる様に消えて行く。それに、比例するかの様にルークの瞳から光が消えて行く。
「クソ……っ」
全ての煙りが吸い込まれたルークは、糸が切れたマリオネットの様に崩れ落ちた。
「クソッタレガァアァァ――!!」
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