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「この子の人格が乗っ取られる。つまり、ルークと言う人格が第三者の人格に乗っ取られる。
これは死と同義の状態よ」
第三者の人格。
恐らくあの宝玉に詰まっていた〝者〟だろう。先程、閻魔に連絡を取ったが宝玉の中身の相手は例の神ではないらしい。
『恐らく…奴の執念……いや、怨念の塊だろう』
一撃でも喰らわせれば崩壊するとの事だ。
「何か、何か手段はないんですか!?」
「どうか兄を助けて下さい、お願いします!!」
必死にシェリーにしがみ付くエレナ。
頭を下げるルークの妹であるレイを見て、クロムは胸が締め付けられる痛みが走る。
自分があの時、上手く立ち回れれば事態が変わったのかも知れない。
何度も過去に駄目だしするが、今の状態が変わる訳ではない。
「何か手段があるんだろう」
西陣営最高峰の魔女にクロムは聞く。
「勿論よ、私を誰だと思ってる訳?」
彼女は鞄から三つの宝石を取り出した。色は、赤・青・黄色だ。
「まず、この子は今、夢を見てるわ」
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