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「夢……?」
「そう夢よ。眼球の動きから察するに、今も夢を見てるわ。
軽く覗いただけだから詳しくは不明だけど、随分と楽しい夢を見てる様ね」
「楽しい夢?」
シェリーは頷く。
「快楽を与え、その隙に人格を乗っ取る。普通だったら今頃、堕ちてる頃だけど、この首飾りの御蔭で持ちこたえてるわ」
彼女が指差す先にあるのは、クロムが渡した翡翠の首飾り。翡翠は魔除けの効果があると聞くが、それが好を成した様だ。
「助ける方法は一つ。〝夢の世界〟に行く事よ」
* * *
「何故…この二人なんだ」
医務室のベッドに横に成ったクロムは同じ様に横になる二人を見た。
「仕方がないでしょう。出来るだけ親しい人間じゃないと、無意識に拒絶されて夢の世界にダイブ出来ないんだから」
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