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夢の世界に入る手段は簡単で難しい。
ルークの睡眠周波数と同調――シェリーに因る精神誘導を使い、夢の世界に入る。
「夢の中での痛みは現実に反映するわ。切り傷は出来ないけど、内出血や筋肉断絶が予想出来る。絶対に無茶しない様にね、二人共」
エレナとレイに丁重に説明するシェリー。
その一方で、クロムは渡された石――誘導具を握り締め、目を閉じるが視線の性か寝付けない。
「なぁ…恥ずかしいんだが、止めてくれないか?」
「あら、寝付けないの?何だったら子守歌でも歌いましょうか?」
「……遠慮しとく」
ミレイの提案に一瞬迷ったが、人前と言う事もあり自重した。皆の視線から逃げる様に彼等に背を向け、横になる。
目の前に居るのはミレイだけだ。
「…行って来る」
「えぇ、行ってらっしゃい」
彼女の言葉に後押しされた彼は、誘導具の効果でゆっくりと、意識が沈んで行った。
クロム最後の戦場は幻想と夢幻の世界。
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