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「誰よアンタは!」
突如聞こえた声。よく耳を澄ますと、声はルークの背後から聞こえる。
その発信源は黒い靄だ。
風に吹かれれば消えて仕舞いそうな程に貧弱な姿。
よく目を凝らすと靄は人の顔に見える。
『邪魔スルナ邪魔スルナ…邪魔ヲスルナァァア゙ァーーッ!!』
靄――悪鬼が顔を憤怒に歪ませる。 花畑の大地が裂け、地中から木の根が迫り来る。
「下がれ!」
――夢幻壱型『手刀』
右腕を刃に変化。四方から来る根を切り捨てる。
「硬いっ!?」
植物では有り得ない硬度。木の根を見ると、根の先端部分が光沢を放っている。
植物に金属。現実では有り得ないが、此処は夢の世界。
多少の無理は通る。
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