夢に行きました

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   戦闘開始から一刻。均等は崩れた。 「――……ッ!!」  触手の取りこぼしがクロムの左肩を貫通した。直ぐ様、触手を切り捨てる、引き抜く。  しかし左腕は肩が上がらず、傷口からは血ではなく、光の粒子がこぼれ出す。 「これが、崩壊減少か」  許容量以上の傷を負えば、クロムと言う思念体が消え去る――死が待っている。 「――上等じゃねぇか」  口角を吊り上げ、片腕が使用不能に成った窮地の状況を不適に笑う。  ――悪魔化  現時点で変化出来る部位を悪魔変換。背部に出現した巨大な両翼を強く羽ばたかせる。  突きの構えを取り、息を吐き出す。  体力的にも精神的にも限界は近い。一か八かの一撃を悪鬼に叩き込む。  もし、し損じれば悪鬼のテリトリーである花畑に飛び込む事になる。四方八方から来る触手に対抗する術はクロムには無い。
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