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――終わった。
そう確信した瞬間――背後から触手に貫かれた。
「……ッ……」
声を上げる余裕もなくクロムは地に倒れ伏した。
止めと言わんばかりに、触手の第二波が来る。
「アクアランス!!」
「サンダーレイ!!」
二人の魔法により事なきを得るが、クロムには今の現状が理解出来なかった。
確かに悪鬼を倒した筈だ。現にルークの背後には何もおらず、彼は事切れた様に地に伏している。
『クックックッ…ツクヅク人間トハ愚カナモノダナ』
腹に圧力を感じる、不気味な声。その主は地割れと共に現れた。
大地から現れた悪鬼。
複数の蛇の頭部を持つ巨大な怪物。
対するクロムは四肢に力が入らず、エレナとレイは触手を撃ち落とすのに手一杯。
――万事休すか……ッ!!
「諦めるのか~~い」
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