夢に行きました

16/18
前へ
/400ページ
次へ
   ――終わった。  そう確信した瞬間――背後から触手に貫かれた。 「……ッ……」  声を上げる余裕もなくクロムは地に倒れ伏した。  止めと言わんばかりに、触手の第二波が来る。 「アクアランス!!」 「サンダーレイ!!」  二人の魔法により事なきを得るが、クロムには今の現状が理解出来なかった。  確かに悪鬼を倒した筈だ。現にルークの背後には何もおらず、彼は事切れた様に地に伏している。 『クックックッ…ツクヅク人間トハ愚カナモノダナ』  腹に圧力を感じる、不気味な声。その主は地割れと共に現れた。  大地から現れた悪鬼。  複数の蛇の頭部を持つ巨大な怪物。  対するクロムは四肢に力が入らず、エレナとレイは触手を撃ち落とすのに手一杯。  ――万事休すか……ッ!! 「諦めるのか~~い」
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17742人が本棚に入れています
本棚に追加