月を見ました

7/17
17682人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
  「――?」 今一よく分からず頭を傾げる。そんなクロムを見兼ねてラビが詳しく頭の上から説明する。 「つまりだな、鬼畜レベルのミッケがありました。普通なら絶対分かりません。でも、裏の答えを知って初めて分かりました」 「つまりどういう事だ?」 「要するに、事前に知っていれば何て事ないが、知らない奴は何時まで経っても知らない間々だと言う事だ」 ラビの言葉に老婆も頷いた。 「左様。正確に言えば一度、神内に入った者は耐性が付くと言う事です」 「成る程」 結界の説明もそこそこに老婆は神社の説明を初めた。 「あちらが本殿で閻魔様の像があります。そして本殿から見て右の建物が貴方の住まいになります。 なお、送られた荷物二点はもう届いております」 「ん?二点…ですか?」 疑問に思い再度聞くが同じ答えが返って来た。どういう事だ、と考えてると頭上にいるラビが額に手を当てていた。 「あちゃー、なんて運が無い」 「何か知ってるのか?」 「あぁ。こりゃー、転送によるズレだなぁ。たまにあるんだよ」 「ズレの範囲は?」 「五km以内って所だな」 クロムは直ぐに行動に移す。武器は持っていたので大丈夫だ。問題はこの暗闇だが、幸い今夜は満月だ。 「直ぐに探さないとこれからの生活がひもじくなるぞ?」 頭上で脅しに近い言葉を言われ俄然やる気が出た。誰だってひもじい思いなどしたくも無い。 「では、私はこれで…」 老婆はそれだけ言うと煙りの様に消えた。何者だろう、と考えたが今はバックの事に集中する為に頭の隅に追いやった。 「頑張れよ、俺達の生活が掛かってんだ!」 「わーってるよ!」 頭の上で器用に立つ黒兎と布で羽織った武器を片手に彼は闇夜に飛び出した。
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!