友達。

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「ねーキジセン、外の人たちはみんな終わってんの?」 「お前今何時だと思ってんだよ。とっくに点呼して帰ったぞ。」 木島は呆れたように生徒たちを眺めた。 「点呼したらお前らだけ名前が無かったから‥見回りに来てよかった。お前たち前回も校門がしまる時間すぎて能登先生に怒られてたろ。」 「あっ、それ知ってんだ。」 「あたりまえだろ。俺んとこに言いに来たからな。」 「うえー、能登って粘着だね。」 「ほら、したくしろ。」 「はぁーい。」 「ったく‥」 先生はそういいながら名簿を確認していた。 「ええと‥高橋理絵奈と猪原望、佐々木遥と‥森川霧‥。以上4名‥と、これで全員だな。」 「はーい。」 「‥まてよ、1人少ないな‥」 「え‥?」 先生は名簿を見直して生徒一人一人と照らし合わせる。 「‥5人じゃなかったか?」 生徒は顔を不安げに見合わせた。 「‥‥なーんてな。早くしないと七不思議のマジなやつが出るぞ。」 にやり、先生が笑ったのを見て、みんな一気に脱力した。 「やだーっ!! マジキジセンないから!!」 「俺が無いってどういうことだ。」 「そんな七不思議あったっけ?」 「ほらぁ、あの針仕事の下手な女の子が恨めしそうにこっちを見るって‥」 「ああ、あの指先が針の刺しすぎで真っ赤になって追いかけてくるって言う?」 「ああああー、聞こえない聞こえない!」 「ねー、キリちゃん家どっち?」 「えっとね、木下町なんだ‥リエナちゃんは?」 電気は消されて。教室からみなが出て。 引き戸が閉まって。 「意地悪しておっかっけたりしないんだけどな、友実は。」 くす、そう笑う声だけが、教室の中に響いた。
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