友達。

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「ねー、あの子さ‥」 ノゾミはハルカに声をかけた。 あの子、という視線の先には、みなが文化祭の準備をしている中、一人だけ席に座っている女子がいた。 「ああ、なんだっけあの子‥」 ハルカはすぐに視線を向けて彼女を確認するとトモミのほうを向いた。 「一週間前に転校してきたんでしょ?」 「名前覚えらんないよねー。」 くす、そう笑ってハルカは「えーとね」と大げさに思い出すふりをしてノゾミを笑わせようとした。ノゾミは小さく息を吐いて、脱力したように笑った。 「よかったー。」 「なにが?」 「えー‥ちょっと‥」 「?」 ノゾミはみんなの視線が痛くなって、さらに肩をすくめた。 「なんかー‥見えちゃったのかと思って‥‥‥」 「‥‥‥ブフッ!! イタッ!」 トモミはその真剣なノゾミの顔が相当おかしかったのか、我慢していた唇から大量の息を噴出して、その反動で縫い物をしていた針が指に刺さったようで大仰に体をゆすった。 「くっくっ、ノゾミ失礼すぎるし‥!」 「だってさ‥」 「やめてよ怖い話するとあたし夜寝れなくなっちゃうから!」 「ってかさ、クラスメイトをお化けと間違えるってなにその新しいジョーク。」 大笑いするトモミと対照的にノゾミは怖がって体をすくめた。
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