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「だってあたし捻挫して一週間休んでたし‥ほんと知らないんだもん。」
「ああ、ノゾミ近所の子のキックスケータ奪って転んで捻挫したんでしょ?」
「馬鹿すぎる!!」
またそれでトモミが大笑いして、思い出したのかハルカも張本人のノゾミも笑ってしまった。
「だってあいつらあたしのことナメてるから」
「そりゃ転がってきたボール蹴ろうとしておもっきりコケたらあたしだって笑うし。」
「あれは狙って」
「狙って後頭部強打事件。」
「強打! ブブッ! アタッ!!」
トモミは大笑いしてまた指に針を刺す。
「トモミ自虐すぎ。」
「いった、マジで指に4つ穴開いてる!」
「イヤー!」
「ちょ、見せなくていいから!!」
「あー笑った。」
「ちょっとみんな、まじめにやりたまえよ。」
「「「トモミにいわれたくないし!!!」」」
トモミはえらそうにみんなに穴の開いた指をみせながら「時間ないからね」と先生のようにえらそうに言った。
「‥そんで名前誰か思い出した?」
ノゾミはみんながちょっと落ち着いて針仕事を再開してからボソリと聞いた。
「森川さんでしょ。」
その話を聞いていた比較的まじめなリエナは、喫茶店のエプロンをデコる手を止めずに笑顔を見せた。
「森川?」
「そんな名前だっけ?」
「うん、初日にそういってたよ? 森川キリ。」
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