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ノゾミとハルカは顔を見合わせて笑う。
「全然喋らないのに、キリなんだ。」
「苗字が磯野じゃなくてセーフ?」
「それマジやばい。」
ハルカは持っている針を空中でゆすった。
トモミはリエナに
「森川さん気象の霧って書いてあったよね。」
と確認する。
「うん、多分そう。」
「へぇー。」
意地悪そうにハルカは目を細めて
「それならお似合いじゃない?」
とノゾミに告げた。
前に座っていたリエナとトモミはちょっと困って顔を見合わせた。
「そんでさ、あのこ何の担当?」
「そこまでは知らないよー。」
「ノゾミ聞いてきなよ。」
「なんで、やだし。」
「あたし聞いてくる。」
押し付けあってるノゾミとハルカを尻目に、トモミは針を針山に刺してすぐに立ち上がった。
「ねー森川さん!」
「トモミ声でかいし。」
トモミはノゾミにそういわれたが全然気にしない。
びくりと肩を揺らすキリの近くに、トモミは人懐っこい笑顔を見せて寄ってゆく。
「文化祭の担当なに?」
「‥え‥と‥」
「仕入れ? 接客?」
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