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静華にフラれていたら…、……篠原への腹いせに千明ちゃんを軟禁したかもしれない。
携帯取り上げて、俺の部屋に繋いで。
篠原に心配させまくってやる。
…犯罪だろ、俺。
「篠原の元カノだったからナンパしたのよ」
「いいなぁ。元カノ。翼、かっこいいしかわいいし優しいし、料理上手だしえっち上手だし…。翼ともう一回してみたかった」
「……口説かれてるのかしら?」
「そんなつもりはないよ?一也に怒られちゃうから、まったくもってないよ?」
この女を犯してしまいたくなる衝動に駈られるのはなぜだろう…。
静華以上に悪戯に惑わせてくれる。
丼食べて、店を出て学校へと戻る。
千明ちゃんも俺についてきて、昼飯デートのような気がしないでもない。
惑わしてくれるから…、あまり仲良くしていたくない。
彼女はできたけど、塗り重ねる色が更にぐちゃぐちゃになりそう。
学科かえようかな。
医療系には進みたかったけど、看護士でもよかったし。
そっちだと更に女の子多そうでやめただけだけど。
救命士のほうでもいい。
救命士…、目指してみようかな。
「でも…よかった。翼が彼女とつきあってくれて。翼はあたしの一番のおすすめ男子だもん」
千明ちゃんは俺の隣で呟くように口にして、俺が視線を向けると、千明ちゃんは俺に笑いかける。
「あの子もおすすめだよ?あたし以外の女の子には気を許してなかった一也とつきあったんだから。一也が部屋中うさぎにしちゃうくらい、大好きだった子だから」
千明ちゃんは笑顔で言ったけど。
大好きだった元カノと自分の彼氏の元カノのことを言うのは、おもしろいことでもないだろうと思う。
だから尾行のあと、あんなに凹んでいたのかとも思う。
しかし篠原にうさぎ…。
部屋中がうさぎ…。
かなりの熱がなければ、とてもやりそうにない。
大好きだったってかなりわかりやすい。
それ以上の熱が千明ちゃんにあるのだろうけど。
じゃなかったら別れるはずもない。
「千明ちゃんはすすめられる女子ではないけどね」
「…ぐっさりきたんですけど?」
「貫かれていて。何度でも貫いてあげるわ」
「……なんかえっち」
千明ちゃんは顔を赤くして俺から顔を逸らす。
なぜそうなる?
…やっぱり惑わされる俺がまだいる。
消せはしない。
消さなくても…いいけど。
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