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「お前、最近ボーッとしてること多ないけ？」
楽屋に戻ると井本が俺に言うた。
「…そうか？」
「リンドンと仕事してからのお前、なんか変やぞ」
井本はドカンと椅子に座ってタバコに火をつけた。
「なぁ、井本…」
「あ？」
「…恋にさ、芸歴とか先輩後輩とか関係あるんかな…」
俺は俯きながら井本に問いかけた。
「そんなもん関係あらへんがな」
井本はタバコを灰皿に押し付けた。
「別に芸歴がどうとか先輩やろーが後輩やろーが好きって気持ちに嘘はつけへんやんけ。せやろ？お前が好きなんやったらストレートに気持ちぶつけてこいや」
井本の言葉がズッシリと重く感じた。
それと同時に
―俺はあのコを好きで居ってもえぇんや…―
って思えた。
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