3人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
次の日。
また彼はいなかった。
唯一の希望を失ったみたいで午後の授業は泣きそうだった。
放課後。
足が向いてしまっていつもの場所に行くと、そのいつもの立ち位置に白い紙が落ちていた。
不審ながらもゆっくりと拾ってみる。
破いたノートみたいで、二つ折りになっていた。
ぱっと広げた瞬間、私は驚いて紙を落としてしまった。
マジシャンが手から鳥を出したみたいに、その鳥が手から飛んでいったみたいに、
私の手から紙が飛んで落ちた。
びっくりしたのは、そこに書かれていた文字が男の子の字だとわかったからだ。
まるで虫に触れるみたいに手を伸ばし、再びゆっくりと紙を拾い上げた。
最初のコメントを投稿しよう!