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勢いにまかせて、『好きだ』と告白した自分に驚きだけど、これで終われる気がした。
このまま、めちゃくちゃにされた方が、踏ん切りがつくんじゃないか。
酷い事をされたと、嫌いになれるんじゃないか。
酷い事をさせてるのは、私なのに。
「え?」
ぐいっと手を引っ張られ、ソファーに座らされる。
「園田?」
「わりぃ・・飲み過ぎだ。
ちゃんと寝るよ」
拒絶された?
自分から言い出したくせに、私の告白を聞いて、止めるなんて、拒絶の何物でもない。
「そ・・・
水、飲みなさいよね」
最後言葉がちゃんと声になっていたのか定かではない。
泣くのは反則だと分かっていても、心が追いついてない。
鼻の奥がツンとする。
「おやすみ」
ソファーにうなだれるように座る園田を残して、部屋を出る。
自分の部屋に帰ってきて、押し倒された時の恐怖と、拒絶されたことへの失望とで涙が止まらなかった。
大声で泣きたかったけど、隣が園田なだけに声を押し殺して泣く事しかできなかった。
あんなに大切にしてきた物が、一瞬で壊れる。
壊したのは、私。
もう二度と戻れない。
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