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「上杉、それ俺の」 突然、名前を呼ばれたかと思えば、お通しで来た『切干大根』を指さす園田。 「いいじゃん、別に」 「いや、俺それ好物なの知ってるっしょ?」 「だから、食べてるの知ってるでしょ?」 「うわっ、相変わらず最悪だな」 「アンタに言われたくないよ」 「ちょっと、どう思う? 白鳥ちゃん!人の物を取る女!」 園田が隣の女子に泣きつく。 そうだ、白鳥さんだ。 名前にぴったりの顔してるよね。 何食べたら、あんな透明感のある白い肌になんのよ。 一口で、『切干大根』を消す芸当をしてやると、ギャーギャーと園田が騒ぐ。 「ウルサイよ。女々しい男って白鳥さんに笑われるよ」 「いや、男みたいに大口開けて物を食べるお前にきっとドン引きだ!」 苦笑いの白鳥さんと、出口さんだっけ? 「あ~も~、出井! 上杉押さえてて!」
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